~とある教師と優等生の恋物語~
夜の倉澤アトリエは受験生で賑わっている。


そんな中で完璧に場違いな俺。


そんな俺の油絵をのぞいた倉澤先生が呟いた。


「ブランク、長かったからねぇ。しかし……下手になりましたねぇ」


元から芸術に関しては歯に衣きせぬ物言いをする人だったから、覚悟はしていたけれど……


「どうしてこんな色使っちゃうのか、不思議だよね」


(…ダイジョブ俺?)


確かに倉澤先生の言う通り、


思うように手が動かない、筆が動かない、色が出ない。


これが現在の俺。


“這い上がりなさいよ”


だから

夜の倉澤アトリエの受験生コースに頼み込んで格安で入れてもらったのだ。


「あっちの赤木君の絵を見てきてごらん。彼の色彩に対する感覚はお手本になるから」


「…はい」

(くそ!受験生よりもレベル低いってどうなんだよ、俺)


赤木君の絵を見て、がっつり落ち込んだ俺に


「まぁ、焦らない。焦らない。ジロー君、ちょっとお茶でもどうです?」


先生は小さな部屋に招き入れた。
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