~とある教師と優等生の恋物語~
「でもまさかジロー君がまた描く日が来るなんてね」


お茶を片手に倉澤先生は新しいおもちゃを見つけた少年のように笑う。


「嬉しいね」


こうして自分の事のように喜んでくれる人は人生においてすごく貴重だって思う。



「ジロー君がまた描いてくれるなんて……。肩の荷が少し降りた気分だ」



「そんなに気にしてくれてたんですか?」



「そりゃ……僕のせいもあるでしょうから。君なら大丈夫って思ってしまったから――」


「先生のせいじゃないです」


「けどねぇ――……」


倉澤先生は柔らかい表情で窓の外へ視線をやった。
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