~とある教師と優等生の恋物語~
アトリエの講師として働くようになって俺の生活は安定したものになっていき、


そして今から二年と少し前に、母さんは亡くなった。


あの晩は――


太郎から母さんの危篤を知らせる数々のメールや着信履歴をなかった事にして。


(母さん、ごめん…)


会わない時間が俺を家族から解放してくれると思っていたけれど、


よけいに過去にがんじがらめになっていくだけだった。


自分から離れなければ、いつか親父や母親や兄貴から切り離されてしまうような……

そんな恐怖ばかりが増して。


あの日も俺の傍らには名前しか知らない女がいた――



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