もっと溺愛以上
「桜は何もかもを一人で頑張ってたよな。小さな頃から、家事一切を引き受けてた。
本当なら、友達と遊びたい時だって家で柚さんの手伝いをして笑ってた。
参観日に来られないどころか、学校行事に柚さんが顔を出す事なんて滅多にできないのに、文句も言わず」
「有星……」
思わず、有星の背中に両手を回して、ぎゅっと抱きしめてしまう。
当たり前だからと思ってしている事だけど、淡々と有星に言われると、なんだか悲しくなる。
「懇談会に来られない柚さんを気遣って、成績もトップを維持してるんだろ?
どの大学にでも入れるだけの成績を維持してたら、懇談会に親がいなくても大丈夫だもんな」
「なんで……?知ってるの?」
隠していたのに。母さんが気を遣うから、隠していたのに。
どうして有星は知ってるの?
「それだけ、桜を見てたから。桜が好きだから。だから、わかってるんだ」
「好きって、嘘だ」
「嘘じゃない。いい加減に気づけよ」
そう言って、有星は、力いっぱい私を抱き返してくれた。