もっと溺愛以上
父さんと母さんが、どうしてあんなにお互いを大切に思い合ってるのか、不思議に思う事も多かった。
娘の私をそっちのけで、愛し合っている二人っておかしいんじゃないかと感じていたし、寂しかった。
以前、父さんに、そんな私の気持ちをぽろっと呟いてしまった時、
『桜にも、溺れるくらいに愛しく思える大切な男が現れて、そいつが、俺や柚から桜をかっさらっていくんだよ。
桜がその男だけを愛して、その男も桜だけを愛して。
……そうなった時に、俺と柚の愛情の強さが不思議な事じゃないってわかるさ』
どことなく寂しそうに、そう言ってくれた父さんの言葉が、今なら理解できる。
有星の事が、たまらなく好きで、側にいたくて、他の誰にも渡したくない。
何より、有星に愛されたいって強く願う。
父さんと母さんは、高校生の時に出会って、恋におちたって聞いている。
当時の二人も、今の私と同じ気持ちだったのかな。
「桜が自分の将来をちゃんと自分で決めるまでは、見守るだけにしようって思ってたけど。もう、いいよな。これからは、もう我慢しない。
俺の父さんや母さんにも、健吾さんや柚さんにも、負けないくらいに桜を愛するから。
桜も一人で無理しないで、俺を愛していいんだぞ」
……いつの間に、こんな甘い言葉を平気で言える男になったんだろう。
まだ16歳だよね。
年下なのに、どうしてそこまで強気で言えるんだろう。
おまけに、堂々と結婚するって言うなんて。
「悔しい」