飼い犬に手を噛まれまして
────「みはる、起きて!」
頬を叩かれたのは、ソファーの上で中途半端に脱がされた着衣はきちんと整えられていた。
ピンポーンと部屋のチャイムが鳴り、頭から冷水かけられた気分だった。
星梛は、「よかった。起きた」と微笑み。床に自分の荷物を広げていて、勝手に本棚に自分の本を収納したりしていた。
「星梛っ! 今すぐ消えて!」
「え? 消える? え、どうやって?」
扉の外からは、「はやく開けなさーい」という父の声が聞こえる。
「自分で考えてよ!」
「うーん、無理だな」
ああ、もう! と頭を抱えながら玄関に向かう。