飼い犬に手を噛まれまして
いたっ、痛いよ、ひっぱらないで、と喚くワンコとみはるさんに手を振って、先輩と二人でエレベーターに乗り込む。
先輩はさっと奥に入り、私は扉を閉めるボタンを押した。
「俺は痛いの嫌いだから」
「な? なにを言ってるの? 私も痛いの嫌いだよ」
「でも、紅巴は攻められるの好きだよな? 今夜はSM倶楽部で見たり聞いたりしてきたこと全部話してもらおうか」
先輩はネクタイを左右に少し緩めると、唇を引き上げて白い歯をみせた。
「なにも見てない!」
「嘘だね……さっき言ってただろ、縛られて鞭と蝋燭でってさ。紅巴が興味あるなら、今からどこかで調達してきてやってもいいよ」
「興味ないっ!」
「どうだか…………」
絶対絶命の大ピンチ!?
今度は私の番!?
先輩がMってことはないだろうから、その愛の鞭や蝋燭を受けるのは私??
「駐車場に戻ろうか、とりあえずそのグッズ買うとこからプレイだな。紅巴には、一人で店入ってもらうか?」
い、いやぁー!!!
誘拐【おまけSS4】
THE END
