乱華Ⅰ【完】


「売った売った〜」



ヘラヘラヘラ。
修が一体何本目になるかわからないタバコに火を付ける。



お前、吸いすぎだろ。
はぁため息が漏れるも、口にはしなかった。



「まぁ、俺と司はその現場直接は見てねぇけどな〜」


「…正宗は見たのか?」


「あぁ」



思い出したのか、険しい表情を浮かべる正宗。
一体何があった?



「…何て言ったんだ?」



碧が女に興味示すなんて珍しい。
それには俺も含めた全員が目を見開く。



あの心って子に自己紹介しただけでも吃驚だっつうのに。



「…あー…」



正宗は言葉を濁すだけで、なかなか言わない。
もったいぶるなよ。



「…私が相手するからやめろって」


「「「あ?」」」



おっと。
俺と碧と奏多の声が重なっちまった。
おい、奏多お前珍しく言葉崩れてるぞ。



「心ちゃん、高見と佐山にレイプされそうになったんだよ」



あぁ。
あいつらがやってる、薬漬けにしてソープだかなんだかに売るやつか。



あいつらマジ終わってんな。


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