乱華Ⅰ【完】
「それで佐山がタクと颯人に会ったのに焦って本間呼び出しやがってよ〜アイツ近くにいてすぐ来やがったらしい」
修と司は正宗から聞いていたのか。司は修の話に首を縦にウンウン振る。
「で、心ちゃん言ったんだよ」
「何を?」
「“そんな下らない事するなんて終わってる。暇なら私が相手するからもうやめろ。私なら好きにしていいから”って」
「………、」
好きにしていい…?
「それにノっちゃうバカなんだよ本間。本気にしたみたいでさ。いきなり心ちゃんの胸倉掴むから焦ったよ」
「で、タクが本間殴って颯人が心ちゃん抱えて逃げたってわけ〜俺ら後処理よ?勘弁してほしーわ」
ヘラリヘラリ。
笑ってはいるものの、目がマジだ。
修は、多分派手に暴れたんだろう。
「…あの子死にたいんですか?」
奏多の質問に、たっぷり間を開けて
「………恐らく」
正宗は言った。