乱華Ⅰ【完】
チッと舌打ちをしたタクは颯人の手を乱暴に振りほどいた。
「護衛なんて俺には向いてねぇんだよ。そんなのお前が1番わかってんだろ?」
私の真横を通った時、後ろを振り返ることはせずに言葉を漏らしたタク。
それは多分…颯人に言った言葉。
「おいタク!」
「タク!」
正宗と司の呼び止めたがタクが止まる気配はない。
修はドアの横に凭れ掛かったままで、この部屋から出て行こうとするタクを止める様子はかった。
…颯人は何も言わない。
ただじっとタクを見据えていた。
わかったことは2つある。
1つはこのまま行かせてはダメだって事。
そしてもう1つはタクが私が怪我をした事に責任を感じてるんだって事。
「私、タクのせいでこうなったなんて思ってない」
ドアノブに手を回したタクの腕を掴んで引き止める。
お願いだからそんな風に自分を責めないで。