乱華Ⅰ【完】
触れたタクの腕が思った以上に冷たかった。
なんだか消えてしまいそうなタクの存在を確かめるようにギュ、と手に力を込める。
振り払われると思った腕は振り払われる事はなくて、タクはそのまま立ち止まる。
だけど振り向いてはくれない。
「私がみんなに頼らなかったからこうなっただけ。悪いのは私。タクも颯人たちも悪くない」
シンと静まり返る部屋に響く私の声。
後ろはわかんないけど、修は腕組みをしてこっちを見てる。
…僅かに口を持ち上げながら。
「それに守ってもらえなかったなんて1度も思ってない。あの時ちゃんと助けてくれたじゃん」
「…それは颯人が、だろ?」
やっと声を出したタクはハッと自虐的な笑みを漏らす。
「それは結果そうなっただけで探してくれてたんでしょ?あの時タクもあの場にいたよね?私ちゃんと覚えてる」