桐華ー天然ボケ男が学園の王子様(女子)に恋しちゃったら【完】
常識を持って考えれば当然の扱いなんだけど、三つやそこらの子供に理屈は通じなかった。
何で彼方だけ違うクラスにいるのか不思議で、いつも一緒の彼方がいないことが怖くて、嫌で、先生や親たちにしつこく訊いた。
そして子供向けの説明を繰り返しされて、俺が納得――する前に、恋理がキレた。
彼方と一緒じゃないと嫌だと泣き喚いたのだ。
まさに雷でも落ちたみたいな癇癪の起こし方だった。
今までにない恋理の様子に、俺も混乱してしまった。
何とか落ち着かせようとするけど、先生の手も親の手もぶんぶん跳ね除けてしまうし、俺が話そうとしても『かなたが一緒じゃないといや!』と言うだけで話にならなかった。
そこで登場するのが、通説通りに彼方だった。