・・・・・痛い。
 私が最悪な女なのは他にも理由がある。

上手くできないからだ。

私は途中でめんどくさくなる。

どうせ彼も半信半疑なのだから、バレたってどうってことないだろう。

そうやって、サークルの先輩を含め今まで3度浮気を見つかった。

私は泣かなかった。

私は悪いと思っていなかったからだ。

どうせあんたもやってんでしょう。

私はそういった目で彼を見ていた。

結論から言うと彼は3度とも私を許した。

彼の自論はこうだ。

「僕は君を愛しているから」

アホ臭かった。

愛を信じていない私に、いくら愛しているといったってどこにも届かない。

「愛ってなんだと思う」

彼は続けた。

「きっと許すってことだと思うんだ。
人の過ちを許すことが愛だと思う。
でも、それは簡単なことじゃない。
とても勇気がいることなんだ。
だって、自分を裏切ることになる。
自分の気持ちを裏切って、それでも相手を想いやれることが愛だと思うんだ。
僕は君を愛している。
だから、僕は君を許せる」

私はそれを遠目で聞いていた。

じゃあ、もしあんたが浮気したら許せってことね。

私はこくりと頷いた。
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