女神は不機嫌に笑う~小川まり奮闘記①~
怒ってるようだった。
・・・真面目な子だ。
「だから、私にかかっていた魔法は解けた。もう全く、全然、あの男には好意の感情はないの。・・・でも、あなたにはそんなことないんでしょう?大切にしてもらってるのよね?」
身を乗り出して露骨にさぐりを入れると、また顔を曇らせた。――――――――まさか、あの悪魔はこの子にまで辛い思いをさせてんじゃないだろうな!?数々の暴言を思い出して、私は眉間に皺を寄せる。
小林さんは考えるような顔をしてぽつりぽつりと話出した。
「・・・・今のお話で、少し納得したというか・・。たまに、冷たい人だと感じることがあります。人に対しての言葉がとてもきつかったりとか・・」
「口は悪いわよ、かなり。機嫌が悪い時は私も散々暴言を吐かれたわ」
そうですか・・・とまた下を向いた。
「様子が変なんです。何かをしてるみたいです。疲れてて、不機嫌で」
疲れていて不機嫌。・・・うーん、それは、私が金を返せと言ったからではないだろうか・・・と思った。
「・・・それの原因は、私にあるかも」
「え?」
つい零してしまった。だけども彼女には言いにくい。あいつは悪人だが、この話をしたらこの真面目な子はきっと自分を責めるのだろうし。・・・・いや、でも。ううーん・・。
私が迷ってるようなのを彼女はキッと見つめて、大丈夫ですから言ってください、と言った。