女神は不機嫌に笑う~小川まり奮闘記①~


 じっと見つめる。それなりの厚さがある白い封筒。ピンときた。

「お金?」

「とりあえず、50万入ってるから」

 私はすぐに受け取らずに、ノートを棚へ置いて斎を見る。

「・・・どうしたの、このお金」

 ヤツの綺麗な顔に一瞬イラっとした表情が浮かんだ。ぱたぱたと封筒を揺らす。

「どうでもいいだろ。返せっていうから作ったんだよ。いらねーのかよ」

 礼も言わずに手首のスナップをきかせて封筒を奪い取った。パシンと音がして、ヤツの手がはねる。

「・・・むかつく女だな」

「それはどうも」

「礼はねえのかよ」

「私のお金でしょうが」

「昔は可愛かったのに」

「あんたのお陰で陰険になったわ」

 言い合いに目を細めて不機嫌そうにふん、と鼻をならす。そのままパッと背中を向けて、斎は立ち去った。

 ほお~・・・っと緊張を解く。知らず知らずの内に、ヤツが身近にくると緊張するようだった。生存本能のなせるわざか!


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