女神は不機嫌に笑う~小川まり奮闘記①~
彼は私の頭の上に口付けをして、判ってる、と静かに言う。
「それでもいいんだ。それも含めて全部―――――」
彼の低い呟きは耳を通って私の心へ届く。それは段々熱を持って、私を暖めた。
「全部・・・好きなんだ」
夏の夜、静かな公園で。
好きな男と二人きり。
私の瞳からは涙が一粒。
今、やっと全てが終わり、私は男の腕の中。
私を心配して探している間、イライラを抑えるためにずっとタバコを吸っていたと言っていた彼の服からはラークの匂い。
抱きしめたその香りを、彼の香りとして私は永久に記憶する。
私は今、間違いなく、幸福の真ん中にいた。