女神は不機嫌に笑う~小川まり奮闘記①~
ちらりと見ると、生田刑事は全然別の方向を向きながら無表情で頷いた。意地でも私とは視線をあわせないと決めたらしい。
「・・・驚きました、こっちも。小川さんは桑谷さんから隠れてたんですか?」
「はい。そう努力したんですけれど、刑事さんが協力しちゃったから、簡単に見つかりました」
ぶすっとして不機嫌な声のままそう言うと、困ったような顔で頭を下げた。
「だそうですね。まさか利用されたとはこっちも思わなくて。桑谷さんの方が1枚も2枚も上でしたね」
「・・・逃げるのは諦めました」
私がそう言うと、ようやくこちらを向いた。その瞳には面白そうな光が浮かんでいる。
「その方がいいと思います。どうせ、逃げれませんから」
何だよ、皆して。私は面白くない。
挨拶をして警察を辞した。
晩夏の夜空を見上げる。
星も月も見えて、夜空に散らばっている。
悪魔は退治した。
直接的にではなかったけど、やられっぱなしで逃げたりはせず、蹴りまで入れたからよしとすべきよね。
そして賭けも成功した。
桑谷さんは、ちゃんと私を見つけてくれた。秘密も教えてくれた。
息を深く吸い込んだ。
あと、私がやるべきことは――――――――