誠の桜に止まる蝶
「蝶の様子は?」

土方が沖田の腕の中の蝶の顔を除く。

「大丈夫です。気を失っているみたいです。」

「そうか・・・。俺らはこいつに無理をさせっぱなしだな・・・・。人を殺す度胸なんてなくて当たり前だ。それを俺らはこいつに求めさせてしまったんだな。」

土方は考え込むように蝶の顔を見る。

「総司、一、帰ったら早速稽古するぞ。」

「「はい。」

土方を先頭に歩き出す。

蝶・・・こんなになってまで俺らをかばうなんて。

もっと、強くなる。

蝶を守れるくらい、今よりもっと強く。

俺はこの腕の中で静かに眠る蝶の顔をみて決心した。
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