誠の桜に止まる蝶
「あなたは?」

「わいは山崎烝や。」

「山崎さん・・・あっ!私は」

「舞桜蝶ちゃんやろ?」

「え?なんで名前を・・・」

「いま新撰組の中で君の話題で持ちきりやで?」

「へ、そうなんですか?」

「そりゃ、そんだけ可愛けりゃな」

ポツンとしゃべった山崎の言葉は風でかき消されてしまう。

「山崎さんはこちらでなにをしていらっしゃるんですか?」

「ああ、わいは新撰組の救護班的な存在や。」

「そうなんですか!」

「そうやで。怪我人を治療するのがわいの仕事や。」

「山崎さん。」

「なんや?」

「山崎さんが手に負えないような重症な方がいたら言ってください!」

「蝶ちゃんが治してくれん?」

「まあ、そんなところです♪あ、もう行かなきゃ!山崎さんまた後で!!」

蝶はそういうと笑顔で駆け出した。

「よう走る子やなあ・・・」


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