たいむ あうと。
「悪ふざけが過ぎたみたいじゃき。さ、気にせず続けてくれ」
悠が明るい口調で言うと、皆は元の会話に戻った。
亜子も気にせず、そのまま龍とお喋りを続けた。
「…なんで仲良くできないんじゃろうな」
悠の小さい声は、楓にだけ聞こえていた。
「…」
何か言いたげな美加はその場に座り、悠の茶瓶に酒を注ぎ足した。
次の日。
朝早くから起きた亜子と美加は、見送りに向かう。
これから戦いに行くというのに、皆は一切緊張していなかった。
城の入り口まで送ると、龍が部下を並ばせ、三大将の前に立つ。
そして城に残る雑用係に会釈をしてから、行ってしまった。
亜子と美加は
静かに黙とうした。
無事に帰ってこれるように、毎回行っている。
それを終えると、美加と買い物に行った。
ひさしぶりに来た京は治安が良くなっていて、店が盛んに活動していた。
買うものを確認しながら、二手に分かれた。
「ん?」
ふと外を見ると、なにやら揉め事が起こった様で、人が集まっている。
亜子はそういうのが嫌いだった為、早めに買い物を終わらせ美加を探そうとした。
しかし、案の定…それは無理だった。
声をかけられてしまったのだ。
「姉ちゃん、可愛いなあ~!!ちょっと遊んでけよ」
大柄で、額に大きい傷を持つ男だった。
逃げようとしたものの、案の定…腕をつかまれる。