Do you love“me”?
「美青ちゃんと一緒にマンションで待っててね! 練習終わったら、航太と一緒に速攻で帰るからっ!!」
「うん! 本当に楽しみだなぁー!」
その時の事を考えると、今からもうワクワクし過ぎて、仕事中も頬が緩んでしまって……。
実はここ最近、いつもユメちゃんに「佐々木さん、怪しいですよ!!」なんて、突っ込まれている。
「あー……でもねー、ちょっとだけ申し訳ないお知らせが」
そんな私のワクワクをよそに、稜君の口から聞こえたのは、溜め息交じりのそんな言葉。
「な、なに?」
思わず身構えてしまった私に、稜君は“残念なお知らせ”とやらを話し始めた。
「さっき航太と、ちょっと電話で話してさ」
「航太君?」
「うん。で、試合の当日だけ、航太と美青ちゃんも一緒にマンションに泊まる事に」
「そうなの!? おねぇーから何も連絡きてないよ!?」
いつもだったらすぐに連絡して来そうなのに、昨日メールでやり取りをした時点で、彼女は何も言っていなかった。
「ホントにさっき連絡したばっかりだから、まだ美青ちゃんも知らないかもー」
「そっか。いいじゃん、いいじゃん! 楽しそう!」
久々におねぇーとたくさん話が出来ると思った私は、何を話そうかと早くもウキウキしはじめる。
でも、稜君のさっきの言葉を思い出して小さく首を傾げた。
「それが何で“申し訳ない”なの?」
意味がわからないでいる私に、稜君はちょっといじけたような、悲しそうな声を上げる。
「だって、二人の時間減っちゃうじゃん」
「まぁ、そうだけど」
「イチャイチャ出来ないじゃん」
「えっ!?」
「まぁ、いっか!」
「ん!?」
「声が聞こえないようにすれば――……」
「ちょ、稜君!!」
“イチャイチャ出来ない”という発言を聞いた時点で赤面した私に、更に追い討ちをかけるように発せられた言葉。