バーチャル歴史的愛情故事
「素敵な着物じゃねーか!」
「慶次さん…」
「前田慶次郎利益だ。よろしくな!」
「はい…(長い名前だなぁ…)」
「政宗に着せてもらったのかい?」
「えっ」
先ほどの政宗の近さを思い出す。
「…はい…」
「あいつは着せるのも脱がすのも得意だ」
ガッハッハと豪快に笑う慶次。
美濃はたじたじだった。
「美濃…」
「きゃっ」
ぬっ、と現れたのは石田三成。
端正な顔立ちで誰もが目を引く存在だが、酒に酔っていて顔は赤く、目は座っている。
「政宗には、気を付けろよ」
「な、なぜ?」
「あいつは手が早い」
「………!////」
「お前は人の事言えないだろう、三成!」
すかさず慶次が三成に突っ込む。
「俺は…愛した女だけに人生を捧げる。あんな横暴で俺様な政宗とは違う」
「どうだかなぁ」
ニシシと慶次が笑う。
政宗さんはそういう人なのか。
たまたま美濃がいたから美濃を選んだのか。
美濃は表情が曇っていく。
「心配するな美濃、政宗はあんな性格だがな、俺が今までに見たことないぐらいお前さんに惚れてるみたいだぜ」
「…えっ」
「ゆっくり考えればいいさ。まだ時間はたっぷりあるんだからな!」
そう言って慶次は美濃の肩を叩くとジャブジャブと酒を飲み始めた。