バーチャル歴史的愛情故事
「あんたのせいで元の時代に戻る方法聞けないまま終わっちゃったじゃない!」
「俺のせいなの…か?」
「あんたのせいよ!ああもうどうしよ…」
「そなた…名は美濃でよろしいか?」
「何で私の名前知ってるのよ…」
「ほう、やはり。立て、俺についてこい」
「えっちょっと待ってよ!ぁいたっ」
痛む尻を支えながら見慣れない男についていくことにした。
男の服装は浴衣姿といったところだろうか。
髪の毛は肩より少し下まで伸び、きりっとした眉毛に澄んだ瞳の持ち主だ。
誰なんだろう?
不安しか生まれない脳にはこの男に名を聞く行為すらも浮かばなかった。
「ここだ、入れ」
「え…………………お城?」
目の前には大きな城。
入り口には門番が二人、城内の人間以外は通さない、と、そんな目をしながら立っている。
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って!」
「なんだ?」
「ここは、どこ?」
「青葉城だ」