バーチャル歴史的愛情故事
あおばじょう?
「…青葉城って…伊達政宗の?」
「ほう、御館様を知っておるのか」
「そりゃ当たり前じゃない!私の時代は伊達政宗なんて有名すぎるわよ」
「…………なるほど……」
男は納得した顔つきで門番へ話を通すと城の中へと進んだので、美濃もついていった。
「御館様、例の少女を連れて参りました」
「おう、入れ」
「御館様にはくれぐれも迷惑をかけるんでないぞ、さもなくば俺がお前を…」
「佐助は下がってよい、早く通さんか」
「…………はっ」
まったく訳のわからない会話についていけない美濃は頭の中がクエスチョンマークだらけだった。
佐助、という男に言われるまま部屋へと入ると、眼帯をつけた伊達政宗が待っていた。
「………………本物?」
「もちろんだ。俺様が、伊達政宗だ」
「……………うわぁ…やばいよ…」
「…やばい、とは?」
「あ、えっと…大変、ですね!」
目の前には歴史で習った人物、伊達政宗がいるんだ。しかも本物だと言い張る。
こんな状況、慌てないわけがない。
「まあよい。座れ」
「あ、はい…」
「茶でも、飲むか?」
「あ、有難うございます…」
はははっ、と元気に笑う政宗。
美濃はパニックだった。