バーチャル歴史的愛情故事


差し出されたお茶を飲んでみる。

「うう…苦い…」

「苦い?なら湯を少し入れるか?」

「あ、いえ、大丈夫です…」

「そうか。それでは話を始めよう」




今から一体何が始まるというのか。




「俺は、お前を未来から連れてきた」


「………………へ?」

私を未来から連れてきた?



「俺は、お前が生きる未来へ居た。少しの間だけだったんだがな。そこでお前を見つけた」


淡々と話す政宗。


「しかし俺は、この時代へ戻らなければいけなくなってしまったんだ」

ほうほう…………


「だから俺は、天の使いにお前を連れてくるように頼んだんだ。毎日毎日な」




私を…?



「会いたかったぞ、美濃」

「えっ。ちょっ!」


いきなり抱擁をされた。

急な展開で頭はパニック、体は硬直した。



「美濃、俺の正室になってくれないか?」



…………!?



けっこん!?



「あの、ちょっと待ってください!」

「はははっ。いきなりこんな話をされても困るだけだろう、お前には時間をやろう」

「あの…」

「それから、この時代には戦はない。すべて、終わったんだ。なにもかもな」

「ええっ!?」



< 5 / 19 >

この作品をシェア

pagetop