バーチャル歴史的愛情故事
差し出されたお茶を飲んでみる。
「うう…苦い…」
「苦い?なら湯を少し入れるか?」
「あ、いえ、大丈夫です…」
「そうか。それでは話を始めよう」
今から一体何が始まるというのか。
「俺は、お前を未来から連れてきた」
「………………へ?」
私を未来から連れてきた?
「俺は、お前が生きる未来へ居た。少しの間だけだったんだがな。そこでお前を見つけた」
淡々と話す政宗。
「しかし俺は、この時代へ戻らなければいけなくなってしまったんだ」
ほうほう…………
「だから俺は、天の使いにお前を連れてくるように頼んだんだ。毎日毎日な」
私を…?
「会いたかったぞ、美濃」
「えっ。ちょっ!」
いきなり抱擁をされた。
急な展開で頭はパニック、体は硬直した。
「美濃、俺の正室になってくれないか?」
…………!?
けっこん!?
「あの、ちょっと待ってください!」
「はははっ。いきなりこんな話をされても困るだけだろう、お前には時間をやろう」
「あの…」
「それから、この時代には戦はない。すべて、終わったんだ。なにもかもな」
「ええっ!?」