バーチャル歴史的愛情故事
気がつけば日は暮れていた。
美濃は教えてもらった通り、政宗の布団の枕元にある箱をあけてみた。
そこには金や銀、はたまた女の子らしい赤や紫などの刺繍が入った着物があった。
「これ……………」
「気に入ったか?」
美濃の後ろには政宗が立っていた。
「こんなもの、私には…!」
「心配するな。お前しか着ることのできない着物なんだ。お前にしか着てほしくない」
そっと政宗は後ろから美濃の耳元で囁く。
「さぁ…着ておくれ。早くその着物を着たお前の姿を見たい…」
「……ッ…」
耳元で囁かれ、暖かい吐息が美濃の耳にかかると美濃は顔を真っ赤にした。
「着方が分からないのなら俺が着せてやってもいいぞ。どうするんだ?」
確かに美濃は着物の着方がわからない。
これは政宗に任せるしかなさそうだ。
「……………お願いします…」
目をぎゅっと瞑って政宗にお願いした。
「お前は素直な子だ。ますます愛しい…」
「……………ッ」
政宗は囁きながら美濃に着物を着せていく。
政宗の手は素早く、ものの5分で美濃は見違えるほどの姿になった。
「これで終わりだ。綺麗だな…美濃」
「なんだか…恥ずかしいです…」
「お前はこの世で一番美しい。今夜はそれを皆に証明するんだ」
「…………はい…ッ」
政宗は美濃を正面から抱き締めた。
「美濃、背中に手を回して。俺をしっかり抱き締めて」
「…………はい…」
美濃は政宗の背中に手を回し、ぎゅっと抱き締めた。