僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「まぁ、急なことだったんで、ほんとに昨日、急に決まったんです。
弘美さん、もう戻ると思いますから、中で待たれたら?」
僕は、今朝渡された鍵で、玄関の戸を開けた。
「知らない人と二人っきりは、ちょっと……
わたし、ここで待たせてもらいます」
彼女は僕と顔を逸らすように、そう言った。
「そんなこと言わずに、中で待って下さいよ。
あっ、僕のことなら、お構いなく。夕食の支度があるんで、キッチンに篭りますから。だからあなたは、居間でゆっくりしていて下さい」
僕は片手でドアを押さえ、彼女を家の中へと誘った。
「ほら、買い物もしてきたし」と、スーパーの袋を目の前まで上げて見せた。
「今晩はカレーなんです。食べて行かれますよね?」
どうやら彼女は僕の問いに答える気はないらしい。
僕は彼女が玄関の中まで入ったのを見届けると、急いで靴を脱ぎ、キッチンへと向かった。
(どうやら、早く彼女の目の前から姿を消した方が良さそうだ)
それが、僕が導き出した答え。