僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
丁度やかんから、湯気が勢いよく吹きはじめたころ、玄関の戸が開く音がした。
僕はキッチンから廊下に顔を覗かせ様子をうかがう。
「あ、弘美さん、おかえりなさい」
そこには、疲れた様子で靴を脱ぐ弘美さんがいた。
「あ、ただいま」彼女はそう言いながら、玄関に脱がれた靴を見て、
「あれ、好美が来てる?」と顔を上げた。
「好美さんていうんですか。僕が帰った時、丁度家の前にいらして、今、居間ですよ」
僕は居間のドアを指差した。
「夕食のカレー、出来てます」
そう付け足した僕の言葉に、弘美さんは少しびっくりした様子で、「無理しなくていいのに」と呟いた。