僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「あの……お茶でも如何ですか」
僕は、二人の話の行方に入り込む隙を探しあぐね、思い切って強引に声をかけた。
「あ、悪いわね、ありがとう。
そうだ、紹介するわね、これ、娘の好美。今年大学出て、社会人一年生」
「好美です。丸菱物産で事務やってます」
「うわぁ、丸菱って言ったら、一部上場企業ですよね。さすが大卒は違うなぁ。僕なんて専門学校卒だから、今時仕事なくて」
「大卒っていっても、好美は音大だから。それに、就職だって、父親のコネ。ちっとも凄くなんてないわよ」
「ママ、それって酷くない? あたしだって、ちゃんとお仕事出来るのよ。今日だって、主任に褒められたし」
「あら、そう。それなら良かった」
「もう、ママったら、いつも子供扱い。あたしもう大人よ」
そう言って膨れた彼女は、僕から見ても、まだ幼い少女のようで。
何不自由なく幸せに育ったんだろうなと思わせる。