僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「じゃ、僕も片付けますんで」
彼女と一対一で対峙は気まずくて。
テーブルに残った皿を重ね、僕も慌てて席を立った。
「ねぇ、あなたいくつ?」
流しで皿を洗う僕の背中から、声が聞こえた。
「三十二です」
「ママっていくつか知ってる?」
「えっ?」
「ママ、今年で四十六だよ。あなたと十四も違う」
「僕の母は十八で僕を産みましたから、今年五十です。そっか、弘美さんとそう違わないんですね」
「なんだ、わかってるんだ」
「なにがですか?」
「ママが自分の母親と同じくらい歳が離れてるってこと」
「弘美さんの正確な歳は今知りましたけど、僕より大分上っていうのはわかってました。
僕なんて、弘美さんから見たら、ほんと頼りないただの子供ですよ。あなたと同じようにね」
僕には彼女の表情は見えない。
彼女は今、どんな顔で弘美さんの歳を僕に告げたのだろう。