僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
どれくらい時間が絶っただろうか……
「お待たせしました。ご注文の品は以上でよろしいでしょうか」
「ええ、ありがとう」
静かに目を開くと、目の前に食べ物があらわれた。
きのこ雑炊だ。
僕は、無意識にごくりと唾を飲み込んだ。
きっと僕の様子が異常に映ったのだろう、咄嗟に彼女の声が僕の動きを制止した。
「ちょっと待って、これ熱いから冷まさないと。
それにあなた、しばらく食べてなかったなら、なお更だけど、ゆっくり、よく噛んで、少しずつ食べないと、身体が受け付けないわよ」
彼女はそう言うと、雑炊の乗った盆を自分の方へと引き寄せた。
(なんで……)
と目を泳がす僕の目の前で、雑炊を大きな木杓子でかき混ぜ、ふぅふぅと息を吹きかけ熱を冷まし始めた。
そんな彼女の様子を見つめながら、僕は、またごくりと唾を飲み込んだ。