僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
そんなとき、悪いことは重なるものだ。
夫が蒸発したことを承知の上で、地主はその年の畑の借地契約破棄をがんとして受け付けなかった。
種や肥料を買う金もないのに、その上、畑の借地代まで背負い込むことになり、母は困り果てた。
地主にとっては高々十数万のはした金を、二十四回払いの分割にすると言って高い利息を付けて取り立てた。
真面目で気弱な母は、「約束は約束だから」と文句の一つも言わずにその要求を受け入れた。
それからというもの、母は昼も夜も働き詰めだった。
今から思えば、あれは母を体よく妾にでもしようと企んだ、地主の嫌がらせだったに違いない。
目論み違いだったのは、母の貞節と真面目さ。
夫を想う愛、だったのかな。