青空ライン *Third Story*



―トントン



ビクッ!…誰かがノックしてきた。



いつもなら誰か聞いてるけど今日は聞くことができない。



それは、お父さんとお母さんにはあたしは疲れたからちょっと寝るって言って寝てることになっているから



寝たふりしなくちゃ…
バレませんように。



「…杏」



ドアの向こうからあたしを呼ぶ声が聞こえてきた。



うそ…お父さんやお母さんじゃない。



優だ。



どうしてここにいるの?



あたしのことなんてもうどうでもいいんじゃないの?


どうしてそんな声をするの?



な…んで?



あたしは声を漏らさないで静かに涙を流した。



その時、ガチャとドアの開く音がした。



< 94 / 166 >

この作品をシェア

pagetop