君色
「あんた一人?」

それは岡田さんではなく、柄の悪い不良3人だった。

「・・・・」

私は怖くなって後ろに後ずさった。

「・・・こっち来いよ」

その男に腕をつかまれ、近くのトイレに引きずり込まれそうになる。

「いやぁぁぁぁ!!!」

その瞬間に男たちの間から岡田さんが走ってくるのが見えた。

「伊織さん!!!」

伊織さんは男たちを次々に吹っ飛ばすと、力強く私を抱きしめた。

「ごめん、遅くなって・・・」

私は泣きながらその腕にしがみついた。

「大丈夫?」

大きな手のひらが私の頬を挟みこんで、岡田さんが私の顔を覗き込んだ。

声にならずにうなづくと、その両手が頬を撫でるようにして私の頭を引き寄せた。
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