君色
「・・・ごめん、怖かっただろう?」

岡田さんの腕の中は、不思議と落ち着く。

以前のような不思議な気持ちを感じながら、私は思い切ってその背中に手をまわした。



私・・・岡田さんが好きだ・・・



少しだけ戸惑いながらも、私はそう確信する。


すると、少しだけ体を離して再び岡田さんが私の顔を覗き込んだ。

「・・・今日はもう、帰ろう」

「・・・でも・・・」

「大丈夫、チケットはいつでも使えるし。また一緒に来よう。今度は車で」

岡田さんは笑顔で私の手をつないでくれる。

私たちは黙ったままタクシーに乗り込み、私のアパートまで戻ってきた。

ドアの前まで来ると、岡田さんは私が部屋に入るのをじっと見届けている。
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