君色
「うん、すごく似合ってると思う」

お世辞なんかじゃなかった。

毎日のようにアトリエに顔を出してはトーコちゃんの診察をしていく彼方先生と、彼方先生の顔を見るたびに頬を染めて嬉しそうに微笑んでいるトーコちゃんはどう見ても相思相愛にしか見えない。

実際はまだ告白もしていないみたいで、毎日毎日どうしよう~とデスクにつっぷしてはぼやいていた。

「ね、真秀さん、今日泊まっていって」

「えー?」

「パジャマトークしよう」

まるで本当の妹のようにじゃれついてくるトーコちゃんに、私は素直にうなづいた。
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