さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
沖田さんはそれだけ言い残すと、迷いなく5人の男たちの中に飛び込んでいった。
渡されたのは、いつか歴史ドラマで見た刀。
しかもおもちゃでも偽物でもない。
人を殺すための、凶器。
怖い。
私が人を殺すことになるかもしれない。
逆に私は今日、今ここで殺されることになるかもしれない。
どうしても揺らいでしまう。
沖田さんのように、迷わず揺るがず人を助けに向かえる強さが、私にもあればいいのに。
沖田さんは個々で見ると、剣の天才と呼ばれるにふさわしい圧倒的な強さだけれど、人数的にどうしても不利になってしまう。
一人では、やられてしまう。
だったら。
私しかいない。
沖田さんを救えるのは私だけ。
ぐっと足に力を込めて地面を蹴った。