さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
「これ、最初に見せた携帯なんですけど、これは遠く離れていても、翼と連絡がとれるんです。」
そっと携帯を差し出す。
沖田さんはそれをまじまじと見て、口を開いた。
「これを通して何か言われたの?」
頷く。
「帰るか帰らないか、どっちなんだって。」
沖田さんはどう思うんだろう。
帰らないでほしいと、思ってくれているのかな。
いや、帰ってほしいと思っているかもしれない。
みんな何も言わないでくれているけれど、実際はどう思われているか分からないし。
段々と不安が募る。