さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
「土方さん、相変わらず怖かったですねぇ。」
「俺はそろそろ慣れっこだけどね。」
沖田さんの部屋で二人、笑いあう。
…けれど、すぐに沈黙が襲う。
理由は、たった一つ。
さっきの約束があるから、だ。
「…沖田さん。」
「わかってるよ。」
私にはその病気を聞く義務がある。
それが何か分かってはいるけれど、ちゃんと沖田さんの口から。
心臓がうるさいくらいに鳴っている。
ここまで来て嘘だとは思えないけれど、そうであってほしいと願っている。
「俺は、ね…」
ごくり、生唾を飲む。