さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
「布団は、お前が使ってええから。」
そう言うと烝は畳に横になった。
襲われたあの日が嘘みたいにあっさりと。
「でも…。」
「ええから。お前、疲れとるんやろ?」
その言葉に甘えることにして、私は布団の中に潜った。
沈黙が苦しい。
「…烝、久しぶりだね。」
「せやな。」
「いつもこんな仕事してたの?」
「ま、な。でもこれからは沖田さんのこともあるし、屯所に残るつもり。気休めにしかならへんけど、一応怪我の処置技術はもっとるから。」
その言葉にピンとくる。
それじゃあ、もしかして…