さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―



「沖田さんの…労咳の治療法とかもわかるの?」





役に、立てるかもしれない。





一瞬希望がさしたけれど、そう思ったのは、甘い考えで。






「労咳は、治療方法が見つかってへんのや…。」





治療方法が…ない?





それじゃあ、沖田さんの病気は治せないってこと?






「そんな…。」





一瞬で何かがガラガラと音を立てて崩れる。






それは、希望であったり、望みだったり。





「まぁ、進行を遅らせることくらいは出来るかもしれへん。」






「じゃあ!」





「それもこれから生み出すものなんやけど、な。」





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