さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
どうやら、食事の時は幹部と隊士さん、別々に食べているようだった。
幹部は偉いからそうなんだろうけど、幹部の部屋はいたって広い感じがする。
現代のリビングよりは狭いにしても、一人一人の間に結構なスペースが空くくらい。
それに比べて隊士さんたちの部屋は、一人一人が寄り添うようにぎゅうぎゅうに詰まっている。
私、こっちでいいのかな…。
「藤堂さん、私やっぱりあっちで食べます。」
「はぁ!?いいんだよ、あずみちゃんは。」
立ち上がろうとした私の腕を、藤堂さんはぐっと掴んで離そうとしない。
やっぱり、可愛い顔をしていても藤堂さんだって男の人。
力じゃ敵わない。
隊士さんたちの視線が気になったけれど、私はその場に腰を下ろした。