Vrai Amour ~斗真の場合~
それが1週間ほど続いたころ

いつものように美空と抱いたあと、食事に行こうと準備をしていたとき

あの男から電話があった。


『調子はどうだ?』


その電話の向こうから女の喘ぎ声が聞こえてくる。

多分、あの女だろう。


「・・・」

俺は何も言えなくなった。


『・・・わかって、るよ。第一段階は完了だろ・・・っ』

ギシギシとベットがきしむ音が電話の向こうから聞こえてくる。

「ああ」

仕方なくそう答えると、更に大きな女の声が聞こえ始めた。

『・・ぅ・・・ご苦労、こっちも・・はぁ・・・次の段階に移る、から・・・っ』

俺はそれだけ聞くと、その妙に色っぽい声を聞いていたくなくて

自分から電話を切った。
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