瞳の中の彼
 『バコッ!』

後ろから何かで叩かれた


「痛ぁ!」


後ろを振り向くと 私の目の前には 乱れたネクタイ

見上げると…怖い顔をした 楓だった


「勝手に帰るんじゃねぇよ」

「楓!痛いじゃない」

「先に帰ろうとしてるからだろうが!」


楓はいつも私と一緒

学校に行くのも帰るのも…

中学2年の時からずっと一緒にいる



私は中学2年の時の一時的な記憶があまりない

その間が空白になっている

思い出してはいけない様な感じ


何があったかは分からない

定期的に病院で検査しなければならないし…

時々不安になる


そんな私の側にいつも楓がいてくれる

守ってくれている様にも感じる






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