漆黒の黒般若
不意に部屋の襖が開いた


「楠葉、飯だけど…食べれるか?って楠葉っ!」


楠葉の有り様を見て平助は急いで彼女の元へ駆け寄る

「しっかりしろ楠葉!お前一体どうしたんだ?!」


何も答えずにボーッとする楠葉に平助はたじろいだ


「一くんはこんな楠葉を置いて昨日から一体どこにいっちゃったんだよ!?」


昨日から屯所で一くんを見てない

いくら一くんでもこんな状態の楠葉を置いていくなんて…


「よし、楠葉っ。一くんが戻るまで俺の部屋にこい」

勿論何も答えない楠葉を抱き抱えると自分の部屋へ向かった


こんな楠葉を一人にはしておけないと思った


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