漆黒の黒般若
明日は坂下が街へ出る日だから帰ってきたら2人で久々にのんびりしようと思っていた




最近忙しくて久々にもらえた休日の予定を考えながらつい、頬が緩む


最近は帰りも遅く、部屋に帰ると坂下は布団にくるまって寝ている


そのため、話しをするのは朝の僅かな時間程度


「このままだと、あいつはまたすねるだろうか…?」


すやすやと寝息をたてながら眠る楠葉の髪をそっと撫でる


さらさらとした髪が指をすり抜けてなんだかくすぐったかった


「よし、決めた。何かあいつの喜ぶことをしてやろう。まぁこれは前みたいに小姓がすねてしまわないようにするためであって、変な意味はないがな…」


そう一人でぶつぶつ呟く斎藤だったが次の瞬間にはもう楠葉が喜ぶ顔を思い浮かべて笑顔がこぼれる



しかし、あいつは何をすれば喜ぶのだろうか…?


何か物をあげようか?


しかし坂下は花より団子っていう感じだ
もらって嬉しいのは団子だろう


あいつは普通の女と違う


何をしてやろう…?



そう悩む斎藤をよそに楠葉は気持ち良さそうにすやすや眠っていた



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