俺は私、私は俺?!2
「俺は、組の仕事がある」



「分かってる。でも、私は海斗とも瑞樹とも離れたくないの。わがままだよね....」



「はぁ....そんな可愛いこと言うなよ。俺だって離れたくない。いや、離さない」



俺は涙目の優に優しくキスをした。



「優。俺が最近仕事が忙しかったのは、うちのお袋は化粧品会社を経営してんだよ。だから、俺は組の仕事もしながら会社を継ぐことになってる。そして、その会社は今度世界進出するんだ」



「化粧品会社.....だから、私のメイク道具はいっつも新製品ばっかりだったんだ!」


「あぁ。俺はこのアメリカに進出することを決めた。優がここにいたいんなら、俺もここにいる」



「海斗.....ありがとう」



そういって静かに泣く優を、俺は抱きしめた。



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