君が隣にいれば (短編)
「いつも一緒にいるサエキだっけ?
慌ててたから、どんだけ悪いのかと思ったけど。
大丈夫なら、まぁ良かった」
「サエキ…?」
私は首を捻る。
そして次の瞬間、彼の言いたいことを理解してプッと吹き出した。
「ああ!サカキでしょ。
坂木亜希子」
アキちゃんのことだ。
「俺は人の名前覚えるのが苦手なんだよ…」
本田くんは口を尖らせて目を逸らす。
そういえば本田くんは、私のことも渡辺ミューだと思い込んでた前科持ち。
あれ。
てことは、私のことはちゃんと(?)フルネームを覚えてくれてたってこと?
うわ。
そう考えるとちょっと嬉しい。
…って。
だから、本田くんのことは忘れるんだって。
「それにしても。
渡辺って、本当に雨女なんだな」
窓の向こうの雨を見ながら本田くんがつぶやいた。
確かに本田くんと二人きりになったときは雨が降ってるけど。
「それって、本田くんが雨男ってことにもならない?」
私が言うと、本田くんは笑って言った。
「いいよ、俺は雨好きだから。
雨男なんて、むしろ光栄」
本田くんの笑顔に、また心臓がきゅうっとなる。
忘れようとしていた気持ちがまた顔を出しそうになる。
「今日は持ってんの?傘」
私のバッグの中には折りたたみ傘が入ってる。
今朝、しっかり天気予報をチェックして来た自分を少し恨んでしまう。
だけど…。
もし持ってないって嘘ついたら、本田くんはまた傘に入れてくれるかな。
心の中のズルイ部分が、頭にそう囁きかけてくる。
どうしよう。
本田くんの傘に入りたい。
持ってない、そう言おうとした瞬間、本田くんのケータイが鳴った。
彼はズボンのポケットからごそごそと取り出すと、表示された名前を見て、
「あれ、渡辺の妹…?」
そう言って電話に出た。
慌ててたから、どんだけ悪いのかと思ったけど。
大丈夫なら、まぁ良かった」
「サエキ…?」
私は首を捻る。
そして次の瞬間、彼の言いたいことを理解してプッと吹き出した。
「ああ!サカキでしょ。
坂木亜希子」
アキちゃんのことだ。
「俺は人の名前覚えるのが苦手なんだよ…」
本田くんは口を尖らせて目を逸らす。
そういえば本田くんは、私のことも渡辺ミューだと思い込んでた前科持ち。
あれ。
てことは、私のことはちゃんと(?)フルネームを覚えてくれてたってこと?
うわ。
そう考えるとちょっと嬉しい。
…って。
だから、本田くんのことは忘れるんだって。
「それにしても。
渡辺って、本当に雨女なんだな」
窓の向こうの雨を見ながら本田くんがつぶやいた。
確かに本田くんと二人きりになったときは雨が降ってるけど。
「それって、本田くんが雨男ってことにもならない?」
私が言うと、本田くんは笑って言った。
「いいよ、俺は雨好きだから。
雨男なんて、むしろ光栄」
本田くんの笑顔に、また心臓がきゅうっとなる。
忘れようとしていた気持ちがまた顔を出しそうになる。
「今日は持ってんの?傘」
私のバッグの中には折りたたみ傘が入ってる。
今朝、しっかり天気予報をチェックして来た自分を少し恨んでしまう。
だけど…。
もし持ってないって嘘ついたら、本田くんはまた傘に入れてくれるかな。
心の中のズルイ部分が、頭にそう囁きかけてくる。
どうしよう。
本田くんの傘に入りたい。
持ってない、そう言おうとした瞬間、本田くんのケータイが鳴った。
彼はズボンのポケットからごそごそと取り出すと、表示された名前を見て、
「あれ、渡辺の妹…?」
そう言って電話に出た。