君が隣にいれば (短編)
いつの間に、晴乃は本田くんとアドレス交換してたんだろ。
私は本田くんのアドレス知らないのになぁ。
「あ?
傘がない?」
本田くんは電話の向こうの晴乃に向かって言う。
どうやら晴乃は傘を持って来なかったみたい。
「俺はあるけど…」
本田くんはちらりと私の顔を見た。
あ、そうか。
さっき傘持ってるかって聞かれて、私まだ返事してなかったんだ。
「大丈夫!
私、今日は傘持って来てるから」
私は慌ててバッグの中から傘を取り出すと、本田くんに見せた。
本田くんはホッとした表情を見せると、電話の向こうの晴乃に言った。
「分かった。
すぐ持って行くから、そこで待っとけ」
本田くんはそう言って電話を切った。
―――そっか。
晴乃は本田くんの傘に入れてもらうんだ…。
なんて、あれ?
私、何でしんみりしてるんだろ?
当たり前じゃん。
本田くんの隣に似合うのは私じゃなくて晴乃だもん。
なるようになっただけ。
本田くんの好意に甘えて、嘘ついてまで一緒に帰ろうとするなんて。
忘れるってさっき決めたばっかりのくせに、我ながら諦め悪っ。
今、晴乃から電話があって良かったよ。
うっかり分不相応なことするとこだった。
『じゃあね。
晴乃は本田くんに気があるみたいだから、よろしくねー』
後はそんな風に笑って言えばいいだけ。
晴乃が欲しがるものを譲ってあげる。
今までずっとやってきたことをやればいいだけじゃん。
それでこの恋は、今度こそ終わり。
―――になるはずだったのに。
私は無意識のうちに、教室を出ていこうとした本田くんの手を掴んでいた。
私は本田くんのアドレス知らないのになぁ。
「あ?
傘がない?」
本田くんは電話の向こうの晴乃に向かって言う。
どうやら晴乃は傘を持って来なかったみたい。
「俺はあるけど…」
本田くんはちらりと私の顔を見た。
あ、そうか。
さっき傘持ってるかって聞かれて、私まだ返事してなかったんだ。
「大丈夫!
私、今日は傘持って来てるから」
私は慌ててバッグの中から傘を取り出すと、本田くんに見せた。
本田くんはホッとした表情を見せると、電話の向こうの晴乃に言った。
「分かった。
すぐ持って行くから、そこで待っとけ」
本田くんはそう言って電話を切った。
―――そっか。
晴乃は本田くんの傘に入れてもらうんだ…。
なんて、あれ?
私、何でしんみりしてるんだろ?
当たり前じゃん。
本田くんの隣に似合うのは私じゃなくて晴乃だもん。
なるようになっただけ。
本田くんの好意に甘えて、嘘ついてまで一緒に帰ろうとするなんて。
忘れるってさっき決めたばっかりのくせに、我ながら諦め悪っ。
今、晴乃から電話があって良かったよ。
うっかり分不相応なことするとこだった。
『じゃあね。
晴乃は本田くんに気があるみたいだから、よろしくねー』
後はそんな風に笑って言えばいいだけ。
晴乃が欲しがるものを譲ってあげる。
今までずっとやってきたことをやればいいだけじゃん。
それでこの恋は、今度こそ終わり。
―――になるはずだったのに。
私は無意識のうちに、教室を出ていこうとした本田くんの手を掴んでいた。