スノー・センチメンタル
フッ――と。

風のような何かが私の中を通り抜けた気がした。と同時に握っていたはずの、あっくんの手の温もりも消える。



「ダメ、待って! いかないで、あっくん」



笑って送り出そうって決めたのに……。

そんなのもうすっかり忘れて、泣きじゃくりながら、突然に消えてしまったあっくんの姿を探し求める。



『いってきます』



また風にのって、歌うようなあっくんの声が、私の心をすぅーっと通り過ぎて行った。


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